海を渡ったサムライママ、香純恭の殺陣師な日々。

ニューヨークを拠点に、殺陣とアクションの道場を開設している、殺陣波濤流NY代表の香純恭が、殺陣とアクションやエンターテイメント、アメリカの教育等、殺陣師そして3児の母の視点から持論を展開していきます。

2019年 4月 3日更新

第1回 : 殺陣って何? 初めまして。香純恭です。

皆様、初めまして。

ご縁がありまして、この度コラムを掲載させて頂くことになりました殺陣師の香純恭(かすみきょう)と申します。記念すべき第一回目は、簡単な私の紹介と「殺陣」についてお話させて頂きます。

私は1998年に、日本の殺陣と技斗(アクションのことです)の道場「藝道殺陣波濤流高瀬道場」で、主宰でありアクション映画監督でもある高瀬将嗣氏に弟子入りしました。2014年に、NYで殺陣とアクションの道場を開設し、現在は、道場で小学生からプロの俳優を対象にしたクラスを設けるほか、映画で使われるアクションシーンのコーディネートや構成や指導を行っています。

と言っても、「殺陣って何?」と思う方も多いのではないでしょうか?皆さん、時代劇のチャンバラシーンをご覧になったことはありますか?殺陣とは、所謂時代劇にみられる刀や槍などでの戦闘シーンの技術のことです。もともとは、歌舞伎から端を発し、その伝統芸能が映画やドラマに対応するべく、ダイナミックに、リアルに、スピード感溢れる形にしたのが私共の殺陣で、より様式美へと追及されていったのが今日の歌舞伎にみられる殺陣です。

そうです。殺陣は、勝敗を決める武道(マーシャルアーツ)ではなく、相手と呼吸やタイミングを合わせ、相手のために表現する藝道(パフォーミングアーツ)なのです。使っている専門用語も、歌舞伎と変わりません。数年前、NYで歌舞伎界の方と殺陣を共通テーマに、コラボレーションをいたしました。その時、全て専門用語で殺陣の手順がつけられ、一発で手順が合ってしまいました。そして互いに深く納得し、スタイルは違えど、ルーツは同じなのですねと、微笑み合ったのを覚えています。

さて、殺陣と簡単に申しましても、なかなか奥が深く、皆さんが見ている時代劇の大チャンバラシーンには、たくさんの要素が詰まっております。私はもう20数年殺陣に携わっておりますが、未だに、所作の一つ一つ、手順の合間に、先人たちの知恵や、相手に対する配慮、侍としての矜持など、まさに、現代社会に生きるヒントや教えが満載しているのを感じます。そして、どんなに技術があっても、こと俳優に対しての殺陣は、カメラポジションや立ち位置などが分かっていないと、現場で使い物になりません。そんなことも踏まえて、これから1年間、かなりオタクな角度で、殺陣の世界をそしてアメリカのアクション映画業界を、存分に皆様にお伝えしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

お知らせ

殺陣波濤流NYの5周年祭発表会&レセプションパーティーが、4月28日(日)に、NYのジャパンソサエティーにて開催されます。今年入門したての生徒から、小学生、プロの俳優陣に至るまで、皆がそれぞれのゴールを目指し、演武に挑みます。その後のレセプションパーティーでは、有名シェフの創作料理、寿司バー、伊藤園様によるお茶のデモンストレーション、ホッピービバレッジ社のさまざまなホッピーの試飲、世界の岡本アイス彫刻家による氷のインスタフレームなど、盛りだくさんの企画で皆様をお迎えいたします。ドレスコードがありますので、ドレスアップしてお越しください。お待ちしています。チケットサイトはこちらです。

2019年 4月 3日更新

皆さんのご意見等ございましたら以下までご連絡ください。

tate@hatoryuny.com

Columnist's Profile

殺陣波濤流NY代表香純 恭(殺陣波濤流NY)

1995年 - 日本の芸能事務所ホリプロ所属。

1998年 - 本格的な殺陣とアクションの技芸を学ぶため、藝道殺陣波濤流高瀬道場に入門、主宰高瀨將嗣氏に正式弟子入り。徹底的に殺陣やアクションの技芸を学ぶほか、アクティング、カメラポジション、カメラアングル、礼節から日本の歴史に至るまで、あらゆる角度から指導を受ける。アクション、スタント、また女優として多数の映像作品や舞台に出演。

2012年 - 2度目の渡米後、2014年に殺陣波濤流NY道場を設立。

2015年 - NYにて本格的に殺陣師、アクション・コーディネーターとして映画や舞台のアクションシーンに携わり、翌年、アクション映画製作プロデューサーとしてユニオン映画制作を開始。初めてのプロデュース短編映画「First Samurai in New York」がLAのアルテミス・ウーマン・イン・アクション・フィルム・フェスティバルにて、武器を使ったアクション部門の最優秀賞を受賞。アカデミー賞に続く登竜門であるNY短編国際映画祭NYプレミア、ニューヨーク・ジャパン・シネマ・フェスティバル、アクション国際映画祭プレミア等、数々の映画祭に選ばれ、アメリカ日本人女性初の殺陣師、アクション・ディレクターとして快進撃を続ける。

2018年 - NY国連本部Peace is、メトロポリタン美術館、NYPD総本部等で演武を披露。

3児の母。NYのサムライママと呼ばれ、地域やメディアの間で親しまれている。

殺陣波濤流NY

2 White oak Cir, Purchase, NY 10577
EMAIL:
tate@hatoryuny.com

バックナンバー

BACK ISSUES

次回のコラム

COMING SOON
  • 第2回 : NY殺陣道場波濤流NY、5周年祭 開催!
  • 第3回 : 一流のアクション俳優になるには?役者に武道歴は必要? リアクションとサポーターは相手の為。
  • 第4回 : NYでがんばる俳優シリーズ1
  • 第5回 : NYでがんばる俳優シリーズ2 これから海外で俳優をやるために。
  • 第6回 : アメリカアクション映画業界のホント。
  • 第7回 : 外でこそ、殺陣を。日本人俳優というだけで、何でもできると思われる。
  • 第8回 : 海外での子育てと仕事。
  • 第9回 : 時代劇小説を読もう! 習慣、所作から学ぶ先人たちの生きる力と思いやり。
  • 第10回 : アメリカの俳優ユニオン。メリット、デメリット。
  • 第11回 : スタントマン、殺陣師、アクションコーディネーター、何が違うの?
  • 第12回 : 海外で殺陣を広める意味。仲間の国には銃を向けたくない。