- Recent
- ●お勧めする薬の選び方
-
日々、製薬会社から多くの薬が発売されています。また、近年では薬局独自のブランドで薬が売られていることもあります。そのため、商品名は異なっても中身が同じであることも珍しくありません。そこで、私がお勧めする薬の選び方は、成分名を見ることです。箱の裏に「Active Ingredient」という欄にかかれていることが多いです。ここをチェックすることで、例えば効果がなくて、違う名前の薬を買ったけれど中身は同じだった、ということを回避することができます。それでは、薬局で売られている風邪薬の成分名を目的別に見ていきましょう。
- ●解熱
-
よく売られているのが、アセトアミノフェン(Acetaminophen)、ナプロキセン(Naproxen)、イブプロフェン(Ibuprofen)です。アセトアミノフェンは昔から広く使用され、子供にもよく使用さています。座薬(Suppository)としても売られています。座薬は素早く熱をさげたい時に使用されたりします。ナプロキセンやイブプロフェンは、アセトアミノフェンより解熱作用が強力ですが、胃に負担がかかりやすいので、食後の服用が勧められています。また、片頭痛用にアセトアミノフェン、アスピリン、カフェインの合剤も販売されています。症状や年齢によって上手く使い分けるといいでしょう。「Tylenol (タイレノール)」や「Advil (アドビル)」「Aleve (アリーブ)」「Bayer (ベイヤー)」などの商品名で売られています。
- ●咳止め
-
一般的に「デキストロメトルファ(Dextromethorphan)」という成分が用いられています。脳に働き、咳が出るのを抑える作用があります。一錠10~60mg配合のものが市販されています。60mgという量は、日本で用いられている量に比べると多いので、服用後に気持ち悪くなったり、吐き気を感じる可能性があります。一般的に、薬の量が多くなると副作用発現の可能性も大きくなるので注意が必要です。また、この薬はパーキンソン病や一部の精神疾患治療薬と飲み合わせが悪いことが報告されているので、これらの疾患がある方は、特に主治医に相談する必要があります。「Delsym (デルシム) Cough」「Mucinex (ミューシネックス) DM」「Robitussin (ロビタシン) DM」などの商品名で売られています。※Musinex DM, Robitussin DMは去痰薬も含まれています。
- ●痰
-
グアイフェネシン(Guaifenesin)というものが薬局で購入できます。痰の成分を調節し、痰を除去するのを手伝ってくれます。
- ●鼻づまり
-
フェニレフリン(Phenylephrine)というものが用いられますが、総合感冒薬の中に入っていることが多いです。総合感冒薬の中には他の薬も入っているので、鼻づまりだけ解消したい場合には、プソイドエフェドリン(Pseudoephedrine)というものが単剤で販売されています。この薬は、さまざまな理由から、購入時に身分証明書の提出が必要です。これらの薬は血管を収縮させ鼻づまりを解消させますが、コーヒーなどと一緒に服用すると動悸がする可能性が指摘されています。
- ●総合感冒薬
-
総合感冒薬には、一般的にアセトアミノフェン、デキストロメトルファン、フェニレフリンが配合されています。発熱、咳、鼻づまりの症状があれば総合感冒薬を服用する方が、手間が省けて効率的かもしれません。しかし、必要のない薬を服用することは体に負担がかかるので、症状に合わせて総合感冒薬を服用するのか、それぞれの症状に合わせた薬を服用するのかを考えた方がいいでしょう。「Contac (コンタック)」や「Dayquil:Cold & Flu, Multi-Symptom Relief」などの商品名で売られています。