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2019年12月 4日更新

ニューヨーク生活で知っておきたい医療保険

日本とアメリカでは医療保険のシステムが大きく異なります。「アメリカの医療保険は複雑!」と思っている方も多いのではないでしょうか。このコラムでは、ニューヨーク生活で知っていると便利な、医療保険やプログラムに関する情報をご紹介させていただきます。

オバマケア(Affordable Care Act)

2010年に成立したアメリカの医療制度を改正する法律の名前です。州政府と民間の保険会社が共同して運営しており、アメリカにいる人々が健康でいるように、そして個々の生活にあった健康保険プランを提供しています。収入、世帯数、とアメリカにいるステイタスでどのプランに入れるかを決定します。(移民、低所得者、子供、持病のある方、妊娠、出産もカバーされます。)プラン加入後は民間の保険会社が提携しているネットワーク内の医療機関で受診します。

医療保険を探す前に知っておきたいこと

複雑な保険用語や保険の種類を、こちらのページでわかりやすく説明しています。

医療保険プランの比較・購入ができるサイト

2014年10月1日から新しい医療保険購入制度「医療保険マーケットプレイス」が開設され、ウェブサイトを通して民間医療保険の比較・購入が簡単にできるようになりました。また、メディケイドのような低所得者向け公的医療保険のスクリーニングもできるため、該当資格を満たせば公的医療保険へ加入できます。さらに、月々の掛金の支払いを援助する税金控除「アドバンス・プレミアム・タックス・クレジット」や医療費の負担を援助する「コスト・シェアリング」などの助成金への該当資格も確認できます。助成金額は世帯数と世帯所得に応じて決定され、クレジットは保険会社に直接支払われます。保険加入受付期間が毎年定められており(ニューヨークにお住いの方の申請期間は2019年11月1日〜2020年1月31日まで)、この期間を逃すと、結婚、妊娠(NY州のみ)、出産や引っ越しなどの特別な理由や規定以下の所得であることに該当しない限り、保険に加入できませんのでご注意ください。ただし、低所得者向け公的医療保険へは年間を通して加入できますので、ご自身がそれらの保険に加入可能かスクリーニングすることが大切です。また、マーケットプレイスの運営・管理方法により各州で異なるのでご留意ください。

ニューヨーク州政府が低所得世帯を対象に提供している公的医療保険

プライベート保険の保険料が高過ぎて加入できなくても、ニューヨーク州には所得に応じて利用できる多種多様の公的医療保険やプログラムがあります。NY州政府は、低所得者を対象にした3種類の医療保険を提供しています。

保険未加入者やニューヨーク州に住んでいる(居住証明ができる)合法的滞在資格のない方でも収入に応じた料金で受診できるニューヨーク市のプログラム『H+Hオプション』

H+Hオプションとは Health + Hospitals の頭文字を取ったものです。H+Hオプションに加盟しているニューヨーク市内の病院やクリニックで、保険未加入でも所得に応じた自己負担額で受診できるプログラムです。また、合法的滞在資格のない方も受け入れています。現在のアメリカにおいて医療費はとても高額です。H+Hオプションを上手に活用しましょう!(詳細はこちら

NYCケア (NYC Care)

ニューヨーク市が2019年8月1日に新たに導入したサービスで、収入や滞在資格に関係なく、全ての市民が質の高い医療を手ごろな価格で受診できることを目指したもの。登録資格は、市内に6カ月以上住んでいて、健康保険料の支払いに余裕がない、または加入資格のない人が対象。NYC Careのサービスは上記のH+Hオプションに加盟している病院にて提供される。2019年8月よりブロンクス地区居住者を対象に始まり、今後、2020年末までに5つの自治区(マンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、スタテンアイランド)で実施される予定。詳細は nyccare.nyc にて確認。

MSHG加盟病院による医療費減額プログラム

The Mount Sinai Hospital, Beth Israel Medical Center, The St. Luke’s Roosevelt Hospital Center, the New York Eye & Ear Infirmary の4つの病院のことを The Mount Sinai Hospital Group (MSHG) と呼び、MSHG と MSHG 加盟医療機関では、独自の医療費減額プログラムを導入しています。該当者はこれらの病院で治療費を減額することができます。(詳細はこちら

低価格の歯科治療

アメリカの健康保険には歯科治療をカバーしないものがほとんどのため、歯科保険を別途購入しなければいけません。歯科保険に加入していない人のために、治療費を割引するクリニック、歯科保険を持っていない人のためのスライディング・スケールの適用や保険の受け入れで医療費を決める Community Health Care Centersがあります。(詳細はこちら

低価格の処方せん薬

JASSIでは、ニューヨーク州マーケットプレースでの保険相談・加入・更新のお手伝いをしておりますので、ご希望される方はご連絡下さい。

今回のコラムニスト
Japanese American Social Services, Inc. (JASSI)
100 Gold Street, Lower Level New York, NY 10038

日本とアメリカの制度の違いや生活上の様々な問題を抱えお困りの方へ、アメリカでの生活の質の向上のため法律、住宅、医療などに関する幅広い福祉サービスを提供。NY州認定保険ナビゲーターとしてNY州政府医療保険 (オバマケア) の相談、申請手続きも行っている。

担当者:井口愛(いぐちあい)、シン文恵(しんふみえ)
http://jassi.org/

2019年12月 4日更新

上記は記事更新日時点の情報をもとに執筆されています。
最新情報は異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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